網膜静脈閉塞症 RETINAL VEIN OCCLUSION

網膜の血管が詰まって
視力が低下する病気です。
高血圧、糖尿病、高脂血症がある中高年は要注意。

Check Point 当てはまる項目はありませんか?

  • 高血圧である
  • 糖尿病である
  • 高脂血症である
  • 急に視力が低下した
  • 見えづらい部分がある
  • 全体的にかすんでみる
  • 物がゆがんで見える

目の奥にある網膜の静脈がふさがり、血流が悪くなる病気です。網膜の組織が損なわれていき、血液が漏れて網膜出血が起こったり、血液の成分(血しょう)が目の中心の黄斑に溜まってむくみ(黄斑浮腫)が生じたりして、視力が低下します。発症して数ヵ月以上になると、硝子体への出血や、失明のリスクが高い血管新生緑内障、網膜剥離などの合併症が生じます。他の目の病気、高血圧、高脂血症、糖尿病のある50~60歳以上の方に多く、片方の目に発症した後、もう片方に発症する場合もあるので、早い段階での眼科受診が重要です。なお網膜静脈閉塞症には、発症の多い網膜静脈分枝閉塞症と、発症率の低い網膜中心静脈閉塞症の2種類があります。

網膜静脈分枝閉塞症について

網膜には、動脈と静脈が交叉している部分があります。ここに動脈硬化が起こると静脈が圧迫され、血栓が生じて血流が絶たれて閉塞が生じます。あふれた血液が眼底出血や網膜浮腫を起こすのです。出血で光が遮(さえぎ)られる部分があると、視野の欠損が生じます。しかし、片方の目に欠損があっても無意識に両目で見て補うため、気づかないこともあります。

網膜中心静脈閉塞症について

網膜静脈が1つにまとまっている部分(網膜中心静脈)で血流が滞って、発症します。網膜の広い範囲が障害されるため、視力に影響のある病気です。60歳台の人に多く、高血圧、動脈硬化、糖尿病があるとリスクが高まります。まれに20~30代の方に発症しますが、その多くは血管の炎症が原因です。

治療法

新生血管の発生や成長を抑える薬剤によって、黄斑のむくみを改善する「抗VEGF治療」が一般的です。これは、麻酔を点眼したうえで硝子体に薬剤を注射する治療で、必要に応じで継続します。
症状によってはステロイドの注射、点滴、内服薬による治療を行う場合もあります。
また、合併症(硝子体出血、血管新生緑内障、牽引性網膜剥離)の予防として、レーザーによる網膜光凝固術を行う場合があります。硝子体出血や網膜剥離を生じた場合、外科的な硝子体手術が行われることがあります。

日常生活での注意点

  • 血圧、血糖値、コレステロール値を日頃から管理する
  • バランスの良い食事と、適度な運動を心がける
  • 眼底出血を起こしている時は激しい運動を避ける
  • 定期的に眼科を受診する
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