眼疾患
徐々に冷たい物が美味しく感じる季節になってきましたね
6月~7月にかけて、プール開き、海開きで、
泳ぐ機会が増える方もいらっしゃると思います。
そこで、今回は流行性角結膜炎についてお話をしたいと思います。
流行性角結膜炎は、主にアデノウイルスというウイルスが原因で、
充血やかゆみ、黄色いベタッとした目ヤニが出るなどの症状がでます。
いわゆる、はやり目です。
このはやり目の原因であるアデノウイルスは、風邪のウイルスです。
ですから、風邪の症状とともに目も上記の様な症状が出ることも多いため、
小さなお子さんの場合は、風邪気味の時に、目をこすって
黄色い目ヤニが増えたようだなと感じた場合、注意が必要といえるでしょう。
潜伏期は8~14日で、人にうつる可能性のある時期は、
発症の3日前~治癒までの2週間です。
場合によっては、保育園や学校、仕事をお休みして
いただかなければならないこともあります。
家庭内で、他のご家族にうつさないようにするための対策としては、
感染者さんとのタオルを別にし、なるべくお風呂も最後がいいでしょう。
接触感染となりますので、感染者さんに触れた後は、
手洗いをしていただくことも予防となりますが、
子供さんが感染者さんの場合は、お母さんが度々手を洗うというのも難しいと思われます。
アルコール消毒も有効なので、市販の手指消毒の対応も効果的といえます。
塩素系漂白剤(キッチンハイターやブリーチ等に含まれる)も効果はあるので、
触りやすいドアノブや机等も拭くことで、予防ができます。
徹底したい方は、目薬をさす時に使用したティッシュペーパーを
ビニル袋に入れて、口を閉めて捨てるといいでしょう。
院内では、流行性角結膜炎の疑いの強い患者様と判断した場合、
あらかじめ他の患者様と席を別にさせていただくことがあります。
また、消毒をしながらの検査となります。
院内感染を防ぐためにも必要なこととなりますので、ご了承ください。
まずは発症しないためにも、免疫を落とさないことが大切です
規則正しい生活と食事を心がけましょう
ようやく暖かい日々が続くようになりましたね
さて、この度はアレルギー性結膜炎についてお話ししたいと思います。
アレルギー性結膜炎の種類
アレルギー性結膜炎は、分類として主に3つに分けられます。
①季節性アレルギー・・・花粉症として知られるもので、毎年決まった時期に症状がでます。ほとんどがスギやヒノキによるものです。
②通年性アレルギー・・・ダニ、ハウスダストなど、原因がほぼ年間通して存在するため、慢性化しやすいといわれています。
③春季カタル・・・主に、青少年に多く発症する、重症化したアレルギー性結膜炎をいいます。
今回は、主に①の季節性アレルギーの対策についてお話ししたいと思います。
症状としては、目の痒みが主です。また、流涙、充血でお悩みの方もいらっしゃると思います。日本人のおよそ15~20%がかかっていると指摘されており、近年患者数はますます増えていると考えられているため、その辛さを感じていらっしゃる方も多いのではないかと思います。症状のひどい方に関しては、勉強や仕事に集中できず、お困りの方も多いと思います。
≪対策≫
①点眼
軽い症状が始まった時、もしくは毎年なる方はその季節のおよそ2週間前から点眼をしておくことで、かなり症状は抑えられるといわれています。
通常、抗アレルギー剤を使用しますが、それでもよくならない場合は、ステロイド点眼薬を用います。ステロイド点眼については、長期使用は勧められておらず、あくまでもひどい時だけに使うことで、副作用の発症がないように注意しなければならないお薬であることを知っておいて下さい。
②こまめな洗顔
目の痒みは、まつ毛に付着した花粉が大きな原因とされているため、帰宅したら顔を洗い、まつ毛の花粉も意識して落とすことを心がけましょう。この際、せっかく取り除いたのに、拭くタオルに花粉が付いていると意味がありませんので、やはり洗濯物は中干しをお勧めします。
③保護メガネの着用
外出時の花粉防止メガネをかけることも、予防につながります。当院でもご用意しておりますので、お気軽にお申し付けください。意外と、若い方でもダテメガネ風になると思います。
少しずつ初夏の気配を感じる季節になりましたね。
さて、今回はお子さんに多く見られる仮性近視について
お話ししたいと思います。
近年、子どもの近視が増えてきています。
ただ、子どもの近視は大人の近視と違い、
一時的な調節麻痺や緊張性のいわゆる「仮性近視」の場合があります。
近視になったからといって、すぐにメガネをかけるのではなく、
まずは本当に近視なのか、一時的なものなのかを検査する必要があります。
学校の検診は授業の合間にすることが多く、
調節力が大人より強い子どもの場合は、
教科書など近くを見た後にすぐ検査をすると、近くにピントがあったままになってしまい、
遠くが見えない「近視」の状態になっていることがあります。
これが一時的な近視です。
眼科では
機械による他覚的な屈折力(近視・遠視・乱視の度数)を測定
裸眼(メガネなし)の視力測定
自覚的な矯正視力(近視・遠視・乱視のメガネをかけて見やすくなるか)の測定
を行います。
必要に応じて仮性近視や調節緊張による近視や遠視なのかを検査するために
「雲霧法」や「「目薬を使用する検査」を行う場合もあります。
当院では仮性近視に対し、以下の治療を行っています。
1週間に1回、機械を使って目の訓練をします。
夜寝る前に1回、目薬を点眼してもらいます。
訓練の効果をみるため、4週間に1回のペースで視力を測り、診察をします。
【目の訓練について】
ワック(woc)という機械の中にあるスライドを5分間くらい見ます。
自動的に遠くや近くを見たりすることで目の緊張、疲れをとる機械です。
これにより、目の毛様体筋の緊張を取り、仮性近視の改善を促します。
効果を期待するためには、週に1回ほどの使用をおすすめしています。
【夜寝る前の目薬について】
目の毛様体筋の緊張をとる目薬を点眼します。
点眼後30分ほどで毛様体筋の緊張が取れ、その状態が3~4時間続きます。
毎日夜寝る前にさして頂き、仮性近視の改善を促します。
訓練は3ヶ月から6ヶ月くらい経過をみていきます。
視力が改善しない場合や学校の授業などの生活に支障がある場合は、
メガネの作成・相談をお受けします。
お子さんの視力に心配があるときは、遠慮なくご相談下さいね。
暖かく過ごしやすい季節になりましたね。
当院は白内障、緑内障、網膜疾患(糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症)の
診断と治療に力を入れております。
今回は白内障手術についてお話ししたいと思います。
白内障とは、目の中の水晶体というカメラのレンズにあたる部分が白く濁る病気で、
視力の低下やかすみなどの症状が出ます。
白内障が進行し水晶体が混濁すると、薬で回復することは難しく、
手術以外に視力回復する手段はありません。
見えにくさ、生活に不自由を感じたときに手術をすることをお勧めします。
手術について
当院では、日帰り手術をしております。
点眼にて麻酔を行い、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
白内障手術は、水晶体の濁りを取り除き、
人工の水晶体(眼内レンズ)を移植する手術をします。
眼内レンズは、一生そのままで大丈夫です。
当院では、最新の白内障超音波装置(INFINITI)を導入し、
低侵襲でより安全な手術を提供しております。
手術時間は10分前後で、その後、感染予防の点滴をしてもらいます。
手術後は眼球保護のため、眼帯を装着してもらいます。
目をこすったり、直接触ったりしないように、注意してください。
次の日に眼帯をはずし、ホコリやごみが入るのを防ぐために
保護メガネを1週間かけてもらいます。
費用について
1割負担の方 片眼 約15,000円、
2割負担の方 片眼 約30,000円
3割負担の方 片眼 約45,000円
手術の内容によって変わることもございます。
手術費用とは別に、術後使用する保護メガネやクリーンコットンの代金も必要になります。
眼内レンズについて
通常、遠くか近くのどちらかひとつにピントを合わす、単焦点眼内レンズが主流です。
遠くと近くの両方にピントを合わせる遠近両用の多焦点眼内レンズや、
乱視矯正のできるトーリック眼内レンズもあります。
ただし、多焦点眼内レンズは保険外の手術になりますのでご注意ください。
また、目の状態によっては適応できないこともあります。
手術後の生活について
手術後1週間は、清潔期間として感染予防に気をつけてもらいます。
入浴は、当日は控えて頂きますが、翌日から首から下の入浴が可能です。
洗髪・洗顔は、1週間控えて頂きます。
重たい物を抱えたり、ホコリを浴びるような作業はできませんが、
家事などは普通にすることができます。
仕事への復帰は、事務仕事であれば3日目以降可能です。
力仕事については、1週間後からとさせてもらっています。
車の運転は、手術後3日目に測定した視力の出具合で判断させてもらいます。
術後1週間経つと、見え方も安定してきます。
術後に眼鏡の作成を希望される方は、手術後1ヶ月経過する頃にお勧めしております。
火、水曜日の午後は、白内障手術の相談日です。
ご相談を受け付けておりますので、医師・スタッフまでお問い合わせください。
今回は簡単なようで意外と難しい
正しい目薬の使い方をお話しましょう。
【 正しい点眼方法 】
顔を上に向け、人さし指で下まぶたを引いて、
下まぶたに1滴滴下します。目の真ん中に点眼する必要はありません。
【 1回の点眼量は1滴 】
人間の目は1滴以下の目薬しか入りませんので
よく効かせようと思って一度に何滴もつけることは意味がありません。
【 点眼後静かに眼を閉じる 】
点眼後は静かにまぶたを閉じます。
この際にまばたきをせず、目頭(涙嚢部)を軽く押さえます。
これは鼻涙管へ薬剤が流れ出ることを防ぎ、
効果を高めるためです。
【 複数の目薬を使用する場合 】
複数の点眼液を使用する場合の点眼順序については、
多くの場合、決まりはありませんが、あえて点眼順序をつけるならば
原則としてよく効かせたい方を後に点眼します。
特に医師から指示が出ている場合は、それに従います。
懸濁性点眼液は水に溶けにくく吸収されにくいものもあるので
後に点眼することが望まれます。
前の目薬が流れ出てしまい、十分な効果が得られなくなってしまうので
2種類以上の点眼薬はできれば5分以上間隔をあけましょう。
【 あふれた点眼液は
清潔なガーゼやティッシュで拭きとる 】
あふれた点眼液は、その成分や添加剤によりまぶたなどに
炎症を起こす可能性があります。
また、緑内障治療薬のなかでプロスタグランジンF2α誘導体に分類されるものは
点眼液による虹彩や瞼への色素沈着 やまつ毛が濃くなることが知られており
点眼後にきちんとふき取るか、洗顔することが重要です。
【 点眼薬の汚染防止 】
手をせっけんと流水でよく洗ってから点眼する
手には多くの雑菌が存在するため、
点眼前には手洗いすることが重要です。
点眼薬のキャップをはずすときにも、容器の先に指が
触れないように注意が必要です。
容器の先がまぶたやまつ毛に触れないように点眼する
容器の先が眼に触れると涙液が逆流し、点眼容器内の
薬液が眼脂などで汚染されるおそれがあります。
正しい目薬の使い方を身につけて、これからも眼の健康を保っていきましょうね。
気になることがあればお気軽にご相談下さい
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