2010年11月
11月29日(月)午後1時から2時まで
お昼の休憩時間を利用して、
ファイザー株式会社さん主催の
勉強会を行いました。
まずは緑内障という病気について
簡単にみていきましょう。
緑内障とは、眼圧などによって
視神経(物を見る上で大切な脳への伝達路)が
障害され、視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったり
する病気です。
失われた視野は戻ることはありませんが、
さらに進行しないように、防ぐことが大切になります。
防ぐ為には今以上に進行しないよう、
私たち眼科医・スタッフがアドバイス・管理をします。
それと同時に患者様の協力も必要となります。
それは、自宅での目薬の点眼です。
患者様にアンケートを取った結果、
・2種類以上点眼薬がある場合、5分以上時間を空けられない。
・点眼液がきちんと目に入らない。こぼれる。
・1滴だときちんと入ったか不安なので2~3滴入れる。
などの意見があったそうです。
目薬をきちんと入れて頂くことが
緑内障の進行を防ぐ為には必要不可欠ですが、
患者様の意見を聞いて開発されたのが、
このザライーズ(点眼補助具)だそうです。
このザライーズの使い方についても
今回の勉強会でしっかり講義をうけました。
この点眼補助具は、キサラタン点眼液・ザラカム配合液
限定になりますが、この点眼液を使っていて
目薬が入れにくいという方は、試す価値ありですよ。
【点眼補助具のメリット】
・確実に目の真ん中に目薬を入れることができる。
・介助の方も容易に入れてあげることができる。
・点眼補助具に点眼液をセットしたまま、保管できる。
などがあります。
【デメリット】
・点眼補助具のセットの仕方に慣れることが必要。
(セットは難しくないので、慣れれば簡単ですよ)
緑内障は目薬を入れることが最も重要になりますが、
億劫(おっくう)になりがちな点眼に対しても
このように、どんどん患者様の力になれるよう
開発されているようです。
私たちも今後、この点眼補助具について
患者様に紹介していこうと思いますが、
興味のある方・使用したい方は
お気軽にスタッフに声をかけて下さいね。
またこの場をお借りして
今回勉強会を開催して下さいました
ファイザー株式会社さんに
院長・スタッフ一同、お礼申し上げます。
11月12日(金)~14日(日)にかけて、神戸で行われた
第64回日本臨床眼科学会に参加しました。
お休みの間、大変ご迷惑をおかけしました。
学会では、眼科医療に携わる多くの関係者が参加しており、
それぞれの施設での取り組みや臨床報告を聞くことができました。
また、各施設の医療に対する熱い思いに触れることもあり、
多くの刺激を受け、気持ちが高まりました。
内容としては、白内障や緑内障をはじめ、
ドライアイ、コンタクトレンズ、眼鏡処方、糖尿病など・・・
幅広い分野での講演があったのですが、
中でも、白内障手術への取り組みは印象深かったです。
白内障手術の合併症の一つに「眼内炎」があります。
当院で行っている予防法について紹介しましょう。
①手術前点眼・軟膏の使用
抗菌力の強い薬を3日前から使います。
②手術前に眼脂培養検査
(眼に潜む菌の有無・種類の検査)の実施
眼に合った効果的な薬を選択します。
③手術前の眼の消毒は、院長自らが行います
最も有効でかつ安全な消毒法を取り入れています。
④手術後の点滴・内服
目薬では効果の薄いマイボーム腺にひそむアクネ菌などには、点滴や内服での全身投与が有効とされています。
⑤手術後の点眼
手術直後に抗菌力の強い薬を使用します。また、翌日より、薬の効果を考え、いくつかの目薬を組み合わせて使用します。
眼内炎の発症を限りなくゼロに近づけることは、
当院のこだわりであり、日々継続していることです。
今回学んだことを生かして、今後も引き続き取り組んでいきますね。
また、緑内障についても、治療に有用な
点眼薬について学ぶことができました。
以前にブログでも紹介したことがありますが、今年新しく登場した
ザラカム、デュオトラバ、コソプトなどの配合剤です。
配合剤とは、二つの薬を1つにした薬で、
以下のような利点があります。
・点眼回数が少なくすむ
・点眼に要する時間が短縮する
・先に点眼した薬剤の洗い流しを防ぐことができる
・防腐剤による目の傷ができにくい
・経済的負担が軽くなる
このようなことをふまえて、今まで2剤を併用していた患者様には、
有用な点眼薬といえそうですね。
その他にも、最先端の医療についてたくさん学ぶことができました。
この学びをスタッフ間で共有し、
皆様に今以上により良い医療が提供できるよう、
「お一人 おひとりを大切に・・・」をもっとうに、日々精進していきます。
11月4日(木)15時より、
岩国市医師会にて行われた
医療安全対策会議に出席してきました。
講義の内容は「感染防止対策」についてでした。
今回はそのなかでも、皆様に身近な内容を抜粋して
お伝えしますね。
下の写真を見てください。
左の写真が流水のみで手を洗った状態です。
右の写真は石鹸で手を洗った状態です。
流水のみで洗った場合は、黄色ブドウ球菌が
たくさん手に残っているのが分かります。
※黄色ブドウ球菌・・・人や動物の皮膚、消化管(腸)常在菌であるブドウ球菌の1つです。
様々な表皮感染症や食中毒となるような感染症の起因菌でもあります。
今、写真を見て分かったように、
石鹸での手洗いがとても重要なのがわかりました。
毎日、皆さんが当たり前に行っている手洗いですが、
やり方が正しくないと、手を洗っても
菌が残っている場合があります。
そこで、次は手洗いについて見直していきましょう。
感染予防の基本戦略は
「手洗いに始まって手洗いに終わる」
といわれるほど
手洗いが重要視されています。
下の写真の正しい手洗い方法をマスターしましょうね。
手を洗った後は完全に乾燥させる事も重要なポイントですよ。
この手洗い方法をマスターして、
これから流行ると思われるインフルエンザ予防法に
活用していけるといいですね。
またこの場をお借りして、
今回の講義を開催して下さいました方々に、
心よりお礼申し上げます。
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