2015年01月
新年明けましておめでとうございます。
本年も院長・スタッフ一同、更なる向上を目指して、日々努力してまいります。
皆様どうぞよろしくお願い致します。
第68回日本臨床眼科学会
早速ですが、昨年11月、神戸ポートピアホテルで行われた
「第68回日本臨床眼科学会」に参加してきました。
この学会のテーマは「Academism」です。
Academism=学問研究において、純粋に真理を追究する態度。
臨床研究を行ってきた研究者の成果を発表する場に・・・
ということから、このテーマが選ばれました。
今回もテーマに沿った様々な講演があり、多くを学ぶことができました。
その中から、いくつかご紹介したいと思います。
最新の黄斑疾患治療
糖尿病の合併症の中に、糖尿病黄斑浮腫があります。
糖尿病黄斑浮腫とは、黄斑部がむくむ病気です。
網膜の毛細血管から、血液成分が漏れ出すことで浮腫を生じます。
黄斑浮腫は、最初は小さいものですが、
黄斑の中心部まで浮腫が及ぶと、著しい視力障害が生じます。
これまでは、ステロイドによる療法が有効とされてきましたが、
白内障の進行や眼圧上昇の副作用も指摘されてきました。
そこで、登場したのが、抗VEGF療法です。
抗VEGF剤には、新生血管の成長を抑える効果があり、
これを硝子体に注射する治療です。
臨床試験において、レーザーを照射して新生血管の発生を防ぐ方法よりも、
視力の改善が認められています。
未来の眼圧測定
緑内障の診断には、眼圧の測定が不可欠です。
眼圧計にはいくつか種類があります。
【非接触眼圧計】
器械にお顔を載せていただき、眼に向かって空気が発射される眼圧計です。
角膜のへこみ具合によって眼圧を測定します。
【ゴールドマン眼圧計】
細隙灯顕微鏡についている眼圧計です。
点眼した上で、医師が測定します。
角膜に色素をつけ、そこに眼圧計のチップを眼に当てて測定します。
現在の眼圧測定では、角膜を圧平することで評価しています。
しかし、角膜の厚みによる影響を受けたり、時間や季節によっても異なったりと問題点もあります。
これらの問題を解決するために、
眼内レンズ付属型の眼圧測定装置が研究されています。
眼内レンズの支持部にセンサーを付属させたものです。
センサーの軽量化など、取り組むべき問題点もありますが、
・直接測定できること
・いつでもどこでも確認できること
・連続した測定が可能なこと
など、利点がたくさんあります。
この装置が現実になれば、ご自身で眼を撮影して、
画像解析により眼圧測定が可能になる…なんて日もくるかもしれません。
その他、
・CALLISTO eye(白内障手術における手術支援システム装置)
・アレルギー性結膜炎治療の最新知見
・眼鏡処方におけるオーバースキア技術
・カラーコンタクトレンズを学ぶ
・適切なレセプトの作成法 など
についても学んできました。
院内に掲示していますので、ご覧ください。
なお、平成27年1月30日(金)~31日(土)は
日本眼科手術学会への参加のため、
休診させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。
次回は、白内障についてお話しようと思います。
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