2012年01月
1月27日(金)~29日(日)にかけて、
名古屋国際会議場で行われた
「第35回日本手術学会総会」に参加してきました。
今回の学会のテーマは、
「眼科手術におけるサイエンス・アート・ヒューマニティ」で、
眼科手術を科学的・技術的、そして人間愛的な3つの側面から
捉えるものでした。
眼科手術は黎明期から成長期を過ぎ、成熟期に入っています。
だからこそ、人間愛的側面が重視できるように
なったのではないでしょうか。
白内障手術においては、
現時点での眼内炎予防のエビデンスや、
今ある機械・機器の利点・欠点、操作法、
眼内レンズについての報告でした。
どれも、良い矯正視力ではなく、良い裸眼視力を追求しての
もので、QOVが重視されていることを感じました。
まだまだ単焦点レンズの需要が大きいですが、
多焦点レンズやトーリックレンズのニーズがあった場合には、
そのニーズに応えれるように、準備が求められます。
(多焦点レンズやトーリックレンズについは、適応の有無に
よって使用できないこともあるので、ご相談下さい)
また、手術の切開創は、小切開から極小切開へ。
現段階での極小切開レンズとしては、1.8㎜切開のものがでています。
切開創が小さいことで、術後の惹起乱視が軽減でき、
また感染予防にもつながります。
合併症予防や難症例に対する対策についても
講義を聴くことができました。
危機管理の上で、とても勉強になるものでした。
私自身が、印象に残ったのは、「眼科手術3Dシアター」です。
3Dの映画やテレビが話題になっていますが、
手術映像が3Dで流されているのです。
白内障手術をはじめ、硝子体手術、鼻涙管の手術まであり、
とても興味深いもので、見入ってしまいました。
学会に参加させてもらったことで、
良い刺激を受けることができました。
普段、仕事の中だけでは見えなかった、仲間の一面にも
触れることができ、素敵な3日間を過ごせました。
明日からの業務に 、この学びを生かしていこうと思います。
学会で学んだことは、院内に掲示させてもらいます。
是非ご覧ください。
いよいよ本格的な寒さになってまいりました。
皆さん、白内障についてご存知ですか?
眼科に来院される年配の患者様が、
しばしば「私は、白内障があるんですか?」と口にされます。
中には、白内障があることに驚かれる患者様もいらっしゃいます。
白内障の大半を占める加齢性白内障は、
白髪や肌のシミと同じで、歳とともに誰にでも起こる変化で、
60歳代では60%以上、80歳を過ぎると、なんと90%以上の
人が生じてくるのです。
治療には大きく分けて、薬物療法と外科的治療(手術)があります。
今回は、白内障手術の歴史について少しお話しましょう。
進化し続ける白内障手術
昔の手術は、水晶体全体を取り出す手術だった為、
角膜を大きく切り開く必要があり、入院での手術が必須でした。
また、術後も厚い凸レンズのメガネによる矯正が必要となっていました。
眼内レンズが改良されて、切開創は年々小さくなってきました。
1980年代には11ミリ切開していたのが、
90年代には6ミリ、2000年代に入ると4ミリになり、
今ではわずか2~3ミリの切開で行えるようになりました。
さて、切開創が小さいと何がいいのでしょうか。
切開創が小さいことで、術後乱視が軽減でき、
術後の感染症を減少できます。
これによって、手術による眼への負担が減り、
安全性も高まりました。
白内障手術の方法・技術に加え、
機械・眼内レンズの進歩により、手術の適応も広がり、
比較的早い段階での手術も可能となったのです。
近年に至っては、術後視力がでるのが前提で、
見え方の質(QOV)が求められています。
当院でも最先端の手術を行っております。
お一人おひとりを大切に・・・安心、満足のいく手術を提供していきます。
今月末に名古屋で開催される日本眼科手術学会に参加してきます。
新しい情報を皆様に発信していけるよう、しっかりと学んできますね。
1月27日(金)~28日(土)
日本眼科手術学会総会への参加のため、
休診させていただきます。
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