平成23年6月17日(金)~19日(日)にかけて
博多で行われた「第50回白内障学会総会」に
参加してきました。
お休みの間、ご迷惑をおかけしました。
博多は、連日、雨模様でしたが、天候が気にならないくらい
楽しい時間を過ごすことができました。
学会のテーマは「From creation to innovation」でした。
日本白内障学会は昭和39年に白内障グループディスカッションとして
始まった学会であり、
その長い歴史の中で先人の先生が積み上げてきた
多くの知見があります。
特に近年の白内障の進歩は目覚ましく、
発症のメカニズムについてもかなり解明されてきました。
手術以外の方法での白内障治療が可能になる日も
そう遠くないはずです。
また、手術においても、
開眼手術から、より質の高い術後視機能を獲得する手術へと、
進歩してきました。
これは、手術手技自体の進歩に加え、
テクノロジーの進歩によるところが
大きいように思います。
学会の中では、日常臨床に直結する多くのシンポジウムが
ありました。
あるシンポジウムでは、、
「現在使用されている眼内レンズ、
手術器具・機械、 そして感染予防
においての検証」
がなされていました。
強く感じたことは、白内障手術は、
単に「矯正視力が良い」ことを望むのではなく、「良い裸眼視力」
すなわち「QOVの向上」を目的に行われる時代になったということです。
その為には、
①眼内レンズの選択
単焦点レンズ・多焦点レンズ・トーリックレンズ、
更には球面レンズ・非球面レンズをニーズに応じて選択していくこと
の重要性をあらためて実感しました。
「多焦点+トーリック眼内レンズ」の開発も進んでおり、
今後更に使用できるレンズが増えそうです。
<青色症 球面収差> <乱視矯正> <老視矯正>
着色非球面レンズ トーリックレンズ 多焦点レンズ
それに加えて、
②新しく開発されてきた手術器具・機械の活用
そのひとつである白内障手術装置
について、講演を聞きました。
当院で新しく導入した、「INFINITI」も最新の機械として紹介されました。
この機械の特徴は、
OZil® IPを搭載 していることです。
これによって白内障手術を効率的に低侵襲で実施する
ことが実現しました。
従来の機械は、縦振動により水晶体を破砕・吸引
していましたが、 横振動が加わったことにより、
★熱が発生しにくい
★水晶体の飛散が少ない
★水晶体の破砕効率が高い
より安全で効率的な手術を提供できるようになりました。
最後に
③感染予防・安全対策に努めること
当院で取り組んでいる
・術前滅菌法
・手術中の前房内抗菌薬投与
・術後の抗生剤点滴・内服・点眼
についても、考えることができました。
確立された一つの方法はまだありませんが、
エビデンスがあることを引き続き行っていきたいと
思います。
また、電子カルテや予約システムについての情報も
得ることができました。
日々、医療が進歩していく中で、患者様がより利用しやすい
安心できる医院を築いていけるよう
新たなシステムの導入も検討していきたいと思います。
日々、多くの患者様に来院して頂いていることに感謝すると共に、
その思いに応えることができるよう
精進していきたいと思います。
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