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2010.10.16

糖尿病網膜症は、糖尿病腎症、糖尿病神経障害とともに
糖尿病の3大合併症の一つに数えられています。
私たちの国の失明原因の第2位であり、
今後、糖尿病患者さんの増加によってますます重要な病気になると
考えられます。
今回は糖尿病網膜症について見ていきましょう。
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なぜ、糖尿病で眼の病気になるのですか?
まず、目の構造からみていきましょう。
目の底にある網膜は、カメラに例えるとフィルムの役割をしています。
網膜には、光や色を感じる神経細胞や細い血管が
張り巡らされています。
糖尿病で血液中の糖の濃度が高い状態が続くと、網膜の細い血管が
損傷を受け、網膜(カメラのフィルムに相当)の感度が悪くなったり、
損傷を受けてしまったりします。
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それは、どのような症状が現れるのですか?
症状は糖尿病の重症度によって変わります。
 まずは、その説明をしていきますね。
【単純網膜症】
網膜の中の血液が悪くなり始めた時期です。
この段階では、たいてい症状はありません。
【前増殖網膜症】
部分的に血液が流れにくくなった段階です。
足りなくなった血液の流れを補充するために、
新しい異常な血管が生まれ始めます。
この時期になっても自覚症状がないこともあります。
【増殖網膜症】
新しい血管が伸びてくるのですが、この新しい血管は大変もろく
簡単に出血を引き起こします。出血が多い場合は、
視力低下を自覚します。
また、増殖膜というものができたり、網膜剥離を引き起こしたりして、
最終的には失明に繋がる恐ろしい状態です。
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治療はどのように行われますか?
初期には、糖尿病の治療に加えて内服薬などが使われます。
進展した糖尿病網膜症に対しては、レーザー治療や硝子体手術
などが行われます。
【レーザー治療】
レーザーを用いて、網膜の一部を凝固させます。
それにより網膜の酸素の必要量が減り、そこの新しい
血管が伸びてくるのを防ぐことができると考えられます。
この治療は病気の進行を防ぐものであり、もとの状態に戻すものでは
ありません。将来の失明を防ぐ為に大切な治療なのです。
【硝子体手術】
レーザー治療で進行を予防できなかった場合、
硝子体手術が行われます。
硝子体はゼリー状の組織で、目の中の大部分を占めています。
出血や増殖膜などを取り除き、透明な状態に戻します。
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糖尿病網膜症も早期発見・早期治療が重要になってきます。
糖尿病網膜症になったからといって、すぐに失明するわけでは
ありません。しかし、初期の段階ではほとんど自覚症状が
ないため、患者さん自身が目の異常に気付くことは
困難です。
このため、眼科で定期的な検査を受けることが
大切になりますよ。

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